「このままではつぶれる」サマソニの窮状 政府の補償、洋楽は対象外
コロナ禍でイベントやコンサートの中止や延期が相次ぐ中で、国内アーティストの公演は少しずつ開催されるようになってきましたが、洋楽コンサートは今、苦境に立たされています。20年続く大規模ロックフェス「サマーソニック」を主催するクリエイティブマンプロダクションの清水直樹社長に、その窮状を聞きました。
「日本の各プロモーターやアーティストは、自分たちでルールを守って少しずつコンサートを再開していて、これは素晴らしいことです。でも、洋楽プロモーターは、そのスタートラインにすら立てない。海外のアーティストが来日できない状態が1年続いて、いまだに先が見えないのに、どの補償制度の対象にもなっていないんです。こうした状況が、世の中にはあまり理解されていないと感じています」と、清水さんは語ります。
昨年1月に日本中を沸かせた「クイーン+アダム・ランバート」来日公演を、昨年2月にはボーカルグループ、ペンタトニックスが来日公演を行いましたが、それからほぼ1年、洋楽コンサートを開催できていません。
音楽や演劇のネット配信については、昨年5月から「コンテンツグローバル需要創出促進事業費補助金の申請受付が行われています。ただし、ここには、海外アーティストによる来日公演は含まれていません。
海外に向けてコンテンツを発信することが補償の条項にあり、海外のアーティストを来日させる我々はその枠に入っていません。海外のアーティストを相手にしているというだけで、日本の会社なのに守られない」
実は、コンサートプロモーターズ協会(ACPC)に属する10社の主催で、昨年2月26日から今年1月31日の間に延期された公演は350で、中止になった公演は269。計619公演に上ります。例えば、アヴリル・ラヴィーン、ビリー・アイリッシュ、ボブ・ディラン、グリーン・デイ、アイアン・メイデン、ケミカル・ブラザーズらのコンサートや、フジロックフェスティバル、スーパーソニック、KNOTFEST JAPANなどの大型フェスも中止・延期されました。
全体の逸失売上は、約363億円。ただし、これはチケットの売り上げのみの金額です。クリエイティブマンでは、チケットの逸失売上は延べ45億円近くに。フェスの場合は飲食やスポンサー、グッズなどで約15億円の逸失売上もあり、全て合わせると約60億円になります。
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