日本でヘヴィメタルが若者に広がらない理由を巡る議論
音楽プロモーターのActCiyさんは、メタルファンはヒップホップより多いが、ブランドイメージやサブカル的な位置づけ、演奏の難易度の高さが普及の壁だと指摘する。女性から「男が聴いていて恥ずかしい音楽」と見なされる点も話題に上がり、Marty Friedman氏のように日本人の伝統音楽との親和性を挙げる声もある。10月下旬の「Full Metal Japan」フェスでは1万1千人が集まり、B’zのようなバンドがメタル要素を自然に取り入れて人気を博す例も紹介され、ニッチな楽しみを肯定する意見が広がっている。
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なぜ日本でメタルは流行らないのか。
実はこれには明確な理由があると思っている。
僕は日頃から音楽のWEBプロモーションを行っているので、ジャンルごとのリスナー需要をある程度把握している。
面白いことに、僕の現場での実感では、「流行っている」やファッション消費というブランド消費を省いた純粋な音楽リスナー数はHIPHOPよりもメタルを能動的に聴いているファン層の方が多い。
それなのに、なぜHIPHOPの方が若者の間で流行るのか。
以前から話しているけど、流行を決めるのは音楽性だけではなく、ブランドイメージだからだ。
例えば学校でも、おしゃれな奴や、一目置かれている影響力のあるクラスの1軍が聴き始めれば、周囲も「この人たちが聴いているなら」と同調して聴き始める。
逆に、そうした中心層ではなく「お前らには分からない」という感性を持つ人たちに支持されれば、流行らずにサブカルとして認識される。
メタルは後者に強く支持されてきたジャンルだと思う。
さらに厄介なのは、サブカル層にとって「大衆とは違う」ということ自体がアイデンティティーになっていること。
だから自分の好きな音楽がメインストリームになりそうになると、「あれはメタルじゃない」と拒否反応が起こる。
大衆に受け入れられてしまうと、自分が他人と違うという価値が薄れてしまうからだ。
ただ、僕はメタルが流行らない理由はこれだけではないと思っている。
そもそもジャンルが大きくなるには、リスナーだけでなくプレイヤーが増える必要がある。
HIPHOPなら楽器演奏ができなくてもサンプリングと声で参入できるし、パンクならスリーコードから始められる。
一方、メタルはバンド全体に一定以上の演奏技術が求められることが多く、プレイヤーとしての参入障壁が高い。
つまり、シーンを拡大するための新規参入が起こりにくい。
ファンの存在と、ジャンルが大きく流行することは別の話なのだ。
そして、もう一つ。
メタルは本当にダサいのか?
僕は、音楽のブランドイメージを決めるのは、その音楽を消費している人たちだと思っている。
どれだけ優れた車やブランド品でも、使っている人のイメージによって「あの人たちと同じに見られたくない」と敬遠されることがある。
音楽も同じ。
クラスのイケている人たちが聴いていればイケている音楽になるし、クラスの隅で「俺はお前らとは違う」と言っている人たちに支持されれば、サブカルとして認識される。
つまり、音楽そのものがダサいのではなく、誰が聴いている音楽なのかによってイメージが決まるということ。
最後に印象的だったエピソード。
以前、息子世代の友達を乗せてドライブ中にメタルを流したら、その中の一人の女の子が
「げっ、これお父さんも聴いてるやつだ。これ好きなんですか?」
と怪訝そうな顔をされた(笑)。
結局、その音楽がカッコいいかダサいかを決めているのは、アーティストそのものだけではない。
自分の身近にいる誰が、それを聴いているのか。
これが音楽のブランドイメージを左右しているのだと思う。
— マット/音楽WEBプロモーター (@ActCiy) November 1, 2026






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