ブリトニー・スピアーズは、女性蔑視社会の被害者だった
ブリトニー・スピアーズが、アメリカで再び話題を集めている。きっかけとなったのは、先週金曜日、FXチャンネルが放映し、Huluでも同時配信されたドキュメンタリー。「The New York Times Presents」というシリーズの最新回で、タイトルは「Framing Britney Spears」(ブリトニー・スピアーズを貶める)だ。
ドキュメンタリーの焦点は、主に、スピアーズの資産が今も父ジェイミーによって管理されているという事実に当てられている。スピアーズは今も、スーパーやドラッグストアで小さな買い物をしてもいちいち後見人に報告しないといけないという、お小遣いをもらう子供以下の扱いを受けているのだ。そのことに対して、近年、スピアーズのファンの間では、「#FreeBritney」という抗議運動が起きている。このドキュメンタリーにも、この運動の中心人物が登場する。
https://www.youtube.com/watch?v=mF7qzSg0zb8
17歳になったばかりの1999年1月。スピアーズはたちまち同世代かそれより下の女の子たちのアイドルになるも、当時のアメリカの母親たちは、まだティーンなのにセクシーを売りにしている、自分の娘に悪い影響を与えると、スピアーズを非難した。セクシュアリティに興味をもち、自分なりに探索することは、その世代にとっては普通のことで、だからこそスピアーズは同じような年齢のファンに支持されたのだが、大人たちはそれを「下品」「悪いお手本」と見たのである。これが男の子だったら、同じ扱いを受けただろうか?
心の病への認識が高まり、「#MeToo」「#TimesUp」で社会に潜む男女不平等が指摘されるようになった現代ならば、人はもっと違った対応をしたかもしれない。あの頃はそこまで考えていなかったと、ソーシャルメディアには、当時の自分の姿勢を悔やむ、反省や謝罪のコメントが多く見かけられる。その中には、セレブからの投稿もある。コートニー・ラブは、「ブリトニー、ごめんなさい」とツイート。サラ・ジェシカ・パーカーは、「#FreeBritney」というハッシュタグだけの、シンプルながら、しっかりと心が伝わる投稿をしている。
https://news.yahoo.co.jp/byline/saruwatariyuki/20210211-00222000/
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