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「手のひらを太陽に」誕生60年 アンパンマン原作者の作詩秘話
国民的童謡のひとつ、『手のひらを太陽に』は1961年に発表され、今年で60年目を迎えた。60年代に紅白歌合戦で歌唱され、今では小学生の音楽教科書にも掲載されている。
作詩は『それいけ!アンパンマン』生みの親、やなせたかし氏(2013年逝去・享年94)、作曲は「見上げてごらん夜の星を」など1万5000曲以上を世に送り出した、いずみたく氏(1992年逝去・享年62歳)で、この2人が初めてコンビ組んだ楽曲だった。
「♪ぼくらはみんな生きている 生きているから歌うんだ」
いずみ氏に師事をした作曲家・編曲家で、プロデューサーとしても活躍する近藤浩章氏は、作詞家やなせ氏と作曲家いずみ氏のコンビを1976年からそばで見続けてきた。
「やなせ先生は、歌のイメージとは全く違い、苦しみの真っただ中で書かれた詩だと聞いています。いずみは子供だけではない、大人も歌える歌にしようとして書いた曲です。いろんな背景が結びついて命を持った歌だと思います。誰が作ったか、多くの方はわからないけれどもみんなが歌っている。それこそ、歌のそのものの力です」
「『コンちゃん、ある夜にね、仕事の合間に、手のひらに懐中電灯を透かしてみたら、血管がものすごく元気に流れていたんだよ。自分の心は沈んでいても血は元気だ!血の流れを見て『生きているんだ!』とつくづく思った。だからこの曲は『手のひらを太陽に』ではなく『手のひらを懐中電灯になんだ』と、笑わせてくれました。ミミズ、オケラといった生物に目がいくのはやなせ先生の優しさだし、間違いなく、辛かった時の自分を励ます意味で書かれたはずです」
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